野菜と糖質
にんにくは糖質が多いのに甘くないのはなぜ?

野菜の糖質について解説します。今回はにんにくが甘くない理由です。
チャンク農園

にんにくは糖質は多いが、そのほとんどは多糖類。

にんにく(写真)にんにくにんにくを糖度計で計ると30〜40度くらいはあるでしょうか。完熟メロンでも10度〜15度くらいですから、糖度30以上というのは極めて高い数値です。でも、にんにくは甘くないですね。理由は糖質のほとんどがフルクタンという果糖(フルクトース)が重結合した多糖類だからです。ヒトが甘味を感じることができるのは単糖類と少糖類だけ。多糖類は甘味を感じることができません。

食品成分表の単糖当量を確認してみると。

食品成分表を見ますと炭水化物は27.5g。食物繊維は6.2gですから糖質は21.3gとなります(炭水化物 = 糖質 + 食物繊維)。しかし、食品成分表の単糖当量という項目を見ますと1.1gしかありません。単糖当量は単糖類と二糖類とでんぷんなどの総量で、おおまかに捉えますとヒトが甘味を感じることのできる糖質の量を表していると言えます。つまり、にんにくは糖質21.3gのうち甘味を感じることのできる糖質(単糖当量)は1.1gしかない。したがって糖質は多いが甘味は感じないということが食品成分表からもわかります。ちなみに糖質21.3gというのは、かぼちゃとほぼ同じくらい。野菜のなかでは糖質が非常に多いと言えます。

■にんにく/りん茎、生
炭水化物 27.5g
食物繊維 6.2g
糖質 21.3g(単糖当量1.1g)
※日本食品標準成分表2015年版より

チャンク農園
最後までお読みいただきありがとうございます。当農園は香川県最大級の無農薬・無化学肥料にんにく農園です。にんにくについて何かご質問などありましたらお気軽にメールをお送りください。

(ご参考)文部科学省『日本食品標準成分表2015年版

文:チャンク農園園長

最終更新日:2018年5月18日