食べ方で変わるにんにくの効果・効能
丸ごと加熱。ばくだん(にんにくの素揚げ)。

にんにくのレシピ動画を取り上げ、加熱などによってにんにくの効果・効能がどのように変化するかを解説します。今回はばくだん(にんにくの素揚げ)です。
チャンク農園

ばくだん(にんにくの素揚げ)
にんにく臭を一番抑えられるレシピ。

ばくだん(にんにくの素揚げ)の作り方【ビエボ】 | 料理・レシピ 0分40秒

ご存じの方も多いかと思いますが、にんにく臭は硫黄化合物であるアリシンによるものです。アリインという成分(これ自体は無臭)が酵素アリナーゼによって加水分解されアリシンになります。にんにくを切ったり、すりおろしたりすることでこの反応は起こりますので、ばくだん(にんにくの素揚げ)のように切ったり、すりおろしたりしないレシピではアリシンは発生しません(にんにく臭は発生しません)。
 また、多くの酵素が60℃〜70℃でその機能を失います。これを失活(しっかつ)といいます。失活は不可逆的な分子構造の変化ですので一度失活した酵素が正常に戻ることはありません。ばくだん(にんにくの素揚げ)のようににんにくを揚げれば酵素アリナーゼは失活しますからアリシンは発生しません(にんにく臭は発生しません)。

アリシンはにんにく臭のもとであると同時に、抗酸化作用や抗菌作用のもととなっている成分です。またアリシンはビタミンB1と結びつくことでアリチアミンとなりビタミンB1の吸収を促進します。ビタミンB1は糖質代謝に関与するビタミンですからビタミンB1の吸収が促進されることで疲労回復、強壮作用などの効果も期待できます。

素揚げではアリシンは発生しないが。

アリシンが発生しないばくだん(にんにくの素揚げ)のようなレシピではアリシンに起因する効果・効能は期待できないようにも考えられます。しかし、おそらくはにんにくを揚げたときに全ての酵素アリナーゼが失活するわけではないでしょう。にんにくの中心部までは失活するほどの温度・時間にはならない可能性も十分考えらからです。経験則的に生のにんにくは1日1かけまで、加熱したものは1日3かけまでと言われることから、失活している酵素アリナーゼは2/3程度とも考えられます。したがって、アリシンに起因する効果・効能は期待できると思われます。

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最後までお読みいただきありがとうございます。当農園は香川県最大級の無農薬・無化学肥料にんにく農園です。にんにくについて何かご質問などありましたらお気軽にメールをお送りください。

文:チャンク農園園長

最終更新日:2018年5月18日