野菜の保存方法
玉ねぎの保存方法。

野菜の保存方法をご説明します。今回は玉ねぎの保存方法です。
チャンク農園

野菜は収穫後も生きている。

玉ねぎの収穫風景(写真)玉ねぎの収穫風景インターネットなどを見ておりますと玉ねぎは常温で保存するのがいいと書かれていることが多いですが、これは半分正解で半分不正解です。
 野菜が劣化(品質低下)していく原因はいくつかありますが、代表的なものに呼吸や蒸散などの生理現象と、乾燥などの物理現象があります。野菜は収穫後も生きていますから体内の栄養や水分を消費して生命活動を維持しているんですね。そのため呼吸や蒸散(水分を発散)といった生理現象がおこるわけです。また野菜のカラダはほとんどが水分でできていますから(玉ねぎの場合は89.7%が水分)、よほどの高湿度環境下にないかぎり乾燥していきます。ですから普通は常温で長期保存などできないわけです。

玉ねぎには休眠という生理現象がある。

それでは、なぜ玉ねぎは常温で長期保存できるのでしょうか。それは休眠という独特の性質があるからです。収穫期の玉ねぎ畑をみなさんは見たことがありますか。玉ねぎはそれまでピンと立っていた軸が一斉に倒れたら収穫のサインです。家庭菜園でお作りなったことがある方はよくご存じでしょう。軸が倒れるのは玉ねぎが休眠に入ったサイン。この後、夏の暑い間も玉ねぎはずっと休眠状態にあります。つまり、この時期、呼吸や蒸散が最小限に抑えられているんですね。これに加え、玉ねぎは体内の水分蒸発を防ぐしっかりした外皮を持っていますので、夏の間、常温で保存できるわけです。

休眠明けは冷蔵庫で保存。

ところが、夏を過ぎて気温が下がってきますと玉ねぎは休眠から目覚めます。ですから、このタイミングで冷蔵庫に入れて低温環境下におくことで呼吸を最小限に抑えてあげます。実際、玉ねぎの産地などではこのような方法で長期保存しています(西日本の場合)。

ご家庭の場合も考え方は同じで、西日本の場合ですと玉ねぎの収穫は春ですから夏の間は常温で、気温が20℃を下回ってきましたら玉ねぎは休眠から目覚めますので冷蔵庫で保存した方ががいいでしょう。あるいはこの時期に玉ねぎを買う場合は買った時点で休眠から覚めていますので購入後はすぐ冷蔵庫で保存するのがよいかと思います。

(ご参考)野菜の最適貯蔵条件 | 農研機構

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文:チャンク農園園長

最終更新日:2018年5月18日