GARLIC
にんにく栽培のポイント

にんにく栽培のコツは? 間違いやすい栽培のポイント4つを解説。

にんにくは家庭菜園でも作られる方が多いですね。そこで、間違いやすい栽培のポイントを4つ、品種選び、植え付け時期、追肥、病気の予防について解説させていただきます。執筆はチャンク農園園長兼日本野菜ソムリエ協会認定 野菜ソムリエプロがさせていただきます。
チャンク農園 園長 日本野菜ソムリエ協会認定 野菜ソムリエプロ

南方系にんにくと北方系にんにくの違い。

上海早生(しゃんはいわせ)まずは品種選びです。同じに見えますにんにくにも何種類か品種があります。大きくは2つに分かれますが、ひとつは北方系(寒地型)と言われ東日本で栽培されているもの。もうひとつが南方系(暖地型)と言われ四国や九州で栽培されているものです。
 南方系と北方系の違いはその低温要求量にあります。やや専門的になりますが、にんにくは春先(香川県の場合は2月中旬〜下旬)から側球分化がおこります。それまでひとつの塊だった球が、いくつもの鱗片(りんぺん)にわかれていきます。ご存じのようににんにくは6片〜12片くらいに分かれていますね。これが側球分化ですが、この側球分化が起こるためには一定の低温にあたることが必要になります。この寒さに対する要求量が少ないのものが南方系で、要求量の多いものが北方系のにんにくということになります。
 にんにくの産地と言えば青森県が有名ですから寒い地方でないと栽培できないと思っていらっしゃる方もいるようですが、低温要求量が少ない南方系であれば四国のような暖地でも栽培が可能なわけです。実際、香川県は全国2位のにんにくの産地(知らない方が多いですね!)となっています。ご自分のお住まいの地域が南方系がいいのか北方系なのか。これを踏まえて栽培する品種をお選びください。

北方系(寒地型)・・・福地ホワイト、富良野など
南方系(暖地型)・・・上海早生(しゃんはいわせ)、壱州早生(いしゅうわせ)など

にんにくの芽(茎にんにく)を穫るなら、抽苔(ちゅうだい)する品種を。

にんにくの芽(茎にんにく)品種選びでもうひとつ。栽培の途中ににんにくの芽(茎にんにく)が穫れることもにんにく栽培の楽しみのひとつですね。ただし、すべての品種でにんにくの芽(茎にんにく)が獲れるわけではありません。北方系の代表品種である「福地ホワイト」は不完全抽苔(ふかんぜんちゅうだい)と言いまして、花茎(かけい)が極めて短い、あるいはほとんど無い。あるいは花茎が伸びることもあるがほとんどは伸びない。という感じで、にんにくの芽(茎にんにく)を穫るには不向きな品種となります。富良野や上海早生などは実に70センチ以上の立派な花茎(かけい)が伸びます。これがにんにくの芽(茎にんにく)になるわけですが、にんにくの芽(茎にんにく)を穫る予定があるようでしたら、こうした抽苔(ちゅうだい)=とう立ちする品種を栽培されるのがよいかと思います。

にんにくの植え付け適期はいつ?

にんにく畑 本葉4〜5枚(当農園にて1月16日に撮影)どのような野菜を栽培するにしても、その野菜の適期に苗を植えたり、種を蒔くことが失敗しない一番の重要なポイントかと思います。では、にんにくの植え付け適期はいつでしょうか。
 にんにくは1月〜2月の厳冬期を本葉4〜5枚で迎えるのが一番よいと言われています(写真のような感じが本葉4〜5枚です。当農園にて1月16日に撮影。)つまり12月末までに本葉4〜5枚になっているのが理想ということになります。苗があまり小さすぎても、逆に大きすぎても厳冬期の寒さで痛みやすくなるんですね。最も健康体で厳冬期を乗り越えられる大きさというのが本葉4〜5枚になります。
 ここから逆算しますと、香川県の場合はマルチ栽培のケースでは9月25日〜10月10日の間に植え付けをすると12月末までに本葉4〜5枚になります。実際には12月に入ってきますともうほとんど外見的な成長はないですから12月初旬までに本葉4〜5枚になるように逆算して植え付けのスケジュールを立てるということになります。香川県の場合は全国2位のにんにくの産地でにんにく栽培に力を入れておりますから、JA(農協)が作りました栽培の推奨スケジュールというものが存在します。皆様がお住まいの県でそうしたものがあるようでしたら参考にされるのがよいかと思います。

にんにくは厳冬期の光合成が重要。

にんにく栽培 当農園にて12月21日に撮影品種選び、植え付け時期の次は追肥についてです。にんにくは12月〜2月の厳冬期は外見的な成長がほとんどありませんので栽培管理は何もしなくてよいと考えられる方もいらっしゃるようですが、この時期に光合成をしっかりさせるかどうかで最終的なにんにくの出来が違ってきます。これはどういうことかと言いますと、12月〜2月の厳冬期に、にんにくの外見的な成長がほとんど見られないのは光合成をして生み出された養分が外見的な成長ではなく貯蔵にまわるからなんですね。
 この貯め込んだ栄養を使って、春先の急激な肥大が起き、立派なにんにくができるわけです。ですから、12月〜2月の厳冬期に適宜追肥をおこなうことも必要ですし、光合成には水が必要ですから過乾燥にならないように畝の状態に気を配ることがたいへん重要です。特に冬は乾燥気味になりますから過乾燥にならないよう栽培管理に十分注意してください。

にんにくの病気の予防は春では遅い。

にんにく栽培 当農園にて1月12日に撮影さて、最後のにんにく栽培のポイントは病気の予防についてです。にんにくの一般的な病気のひとつに春腐病(はるぐされびょう)があります。文字通り、春になりますと株元から腐ったように柔らなくなってしまう病気ですね。この病気の菌(細菌)は春に飛んでくるのではなく11月〜1月頃の寒い時期に既に飛んできています。この時期に感染した株が暖かくなった頃に発病します。
 ですから春になったから病気の予防をしようでは遅いんですね。11月〜1月の寒い時期に予防をすることで感染を防ぐことが重要です。当農園は農薬を使いませんので農薬による予防はできませんので、代わりに微生物(乳酸菌・酵母菌・納豆菌など)の混合液を作りまして定期的にかけることで病気の予防としております。土作りもしっかりやっておくことで豊かな生態系ができあがれば病気に強い畑になるかと思います。

※ここに書きました話は基本的に南方系にんにくの話になりますので北方系はまた多少話が違うこともあろうかと思いますのでご了承ください。

チャンク農園 園長 日本野菜ソムリエ協会認定 野菜ソムリエプロ
最後までお読みいただきありがとうございます。当農園は香川県最大級の無農薬・無化学肥料にんにく農園です。にんにくについて何かご質問などありましたらお気軽にメールをお送りください。

文:チャンク農園園長 日本野菜ソムリエ協会認定 野菜ソムリエプロ

最終更新日:

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